「資格がないけど、このまま介護の仕事を続けて大丈夫かな」
「資格を取りたいけど、自分は受けられるのか分からない」
介護の仕事は、資格がなくても始められる職場があります。ただ、続けていくうちに、資格があったほうが任される仕事や選べる職場が広がる場面も出てきます。
この記事では、無資格から介護福祉士までの資格の順番と、それぞれ、どんな条件を満たせば受けられるのかをまとめました。
結論:初任者研修 → 実務者研修 → 介護福祉士の順
| 順番 | 資格 | 受けられる条件 | 時間・内容の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 介護職員初任者研修 | 資格・経験は不要。誰でも受講できる | 130時間(修了時に筆記試験) |
| 2 | 介護福祉士実務者研修 | 資格・経験は不要。初任者研修がなくても受講できる | 450時間(初任者研修を修了していれば320時間) |
| 3 | 介護福祉士(国家資格) | 実務経験3年以上(従業期間1,095日以上かつ従事日数540日以上)+実務者研修の修了 | 国家試験に合格して登録 |
ポイントは、研修の2つは条件なしで受けられて、介護福祉士だけに「実務経験」の条件があることです。いきなり介護福祉士を目指すのではなく、働きながら1つずつ進めるのが一般的です。
※研修の時間や受験の条件は、変わることがあります。最新の情報は、各都道府県や、社会福祉振興・試験センターの案内で確かめてください。
1. 介護職員初任者研修:最初の一歩
介護の仕事の基本(からだの仕組み、介助の方法、コミュニケーションなど)を学ぶ研修です。
受けられる条件:資格や実務経験は要りません。 介護の仕事をしていない人でも受講できます。研修機関によっては、年齢などの条件を決めていることがあるので、申し込む前に確かめてください。
- 研修の時間は130時間ほどで、最後に筆記試験があります
- 通学と通信を組み合わせた講座が多く、働きながらでも通いやすい
- 訪問介護(ホームヘルパー)として、利用者さんの体にふれる介助をするために必要な資格です
「まずは介護の基本をきちんと知りたい」という人の最初の一歩です。
2. 介護福祉士実務者研修:次のステップ
初任者研修より、さらに専門的な内容を学ぶ研修です。
受けられる条件:こちらも、資格や実務経験は要りません。 初任者研修を飛ばして、実務者研修から受けることもできます。
- 研修の時間は450時間ほど
- 初任者研修を修了していれば、130時間分が免除されて、残りは320時間ほどになります
- たんの吸引など、医療的なケアの基礎も学びます
- 介護福祉士の国家試験を受けるために、修了が必要です
「いずれ介護福祉士を取りたい」と思っているなら、実務経験を積んでいるあいだに取っておくと、受験の準備がスムーズです。
3. 介護福祉士:介護の国家資格
介護職の国家資格です。働きながら取る場合(実務経験ルート)は、次の2つを両方満たすと国家試験を受けられます。
| 条件 | 中身 |
|---|---|
| 実務経験3年以上 | 従業期間(介護の仕事に在籍していた期間)が3年以上(1,095日以上)、かつ、実際に介護の仕事をした日数(従事日数)が540日以上 |
| 実務者研修の修了 | 実務者研修を修了していること |
実務経験の数え方で知っておきたいこと
- パートや非常勤でも数えられます。 正社員でなくても、条件を満たせば受験できるとされています
- 「見込み」で申し込めます。 申し込む時点で日数が足りなくても、受験する年度の3月31日までに条件を満たす見込みなら、申し込むことができます
- 数えられる施設・仕事には決まりがあります。 対象になる施設・事業所や職種は、国の通知で決められています。介護職員として働いている期間が基本です
- 2つの職場の期間を合わせることもできます。 転職した人は、前の職場の分も数えられることがあります。その場合は、前の職場に実務経験を証明してもらう書類が必要です
細かい決まりは年度で変わることがあるので、申し込む前に、社会福祉振興・試験センターの「受験の手引」で確かめてください。
介護福祉士の受験資格チェックリスト
自分が受けられるかどうか、次の3つで確かめてみてください。
- ☐ 介護の仕事に在籍した期間が、受験する年度の3月31日までに3年(1,095日)以上になる
- ☐ 実際に介護の仕事をした日数が、同じく3月31日までに540日以上になる
- ☐ 実務者研修を修了している(受験する年度の途中で修了する見込みでもよいかは、受験の手引で確かめる)
3つともそろえば、実務経験ルートで受験できる見込みです。
※実務経験ルートのほかに、介護福祉士の養成施設を卒業するルート、福祉系高校を卒業するルートなどもあります。この記事では、働きながら取る人向けに実務経験ルートを中心に書いています。
働きながら取るときの流れ(例)
| 時期 | やること |
|---|---|
| 働き始め | 介護の仕事に慣れる。まずは初任者研修を受ける |
| 1〜2年目 | 実務者研修を受ける |
| 3年目 | 実務経験の日数を確かめて、介護福祉士の受験を申し込む |
これはあくまで一例です。体力や生活に合わせて、無理のないペースで進めてください。
よくある質問
初任者研修を飛ばして、実務者研修から受けてもいい?
受けられます。実務者研修に、受講の条件はありません。ただ、初任者研修を修了していると実務者研修の時間が短くなるので、どちらが自分に合うかは、研修機関に相談してみてください。
介護の仕事をしていなくても、研修は受けられる?
初任者研修も実務者研修も、介護の仕事をしていなくても受けられます。実務経験が必要なのは、介護福祉士の国家試験だけです。
週3日のパートでも、介護福祉士を受けられる?
在籍期間3年以上と、従事日数540日以上の両方を満たせば受けられます。ただし、540日を3年で割ると、1年に180日、週に3〜4日の計算です。週3日だと、3年では540日に届かないことがあります。 その場合は、日数が届くまで少し長く働いてから受験することになります。自分の出勤日数を、一度数えてみてください。
夜勤の日数はどう数える?
夜勤の数え方には決まりがあります。受験の手引に数え方が書いてあるので、確かめてください。分からないときは、職場の担当者に相談するのも一つの方法です。
資格を取ると、何が変わる?
- できる介助や、任される仕事が広がる
- 求人を探すとき、選べる職場が増える
- 学んだことで、日々の介助に自信が持てる
ただ、資格はゴールではありません。資格がなくても、利用者さんの小さな変化に気づける人、丁寧に声をかけられる人は、現場で頼りにされています。資格は、その経験を言葉と知識で支えてくれるものです。
職場を選ぶときに確かめたいこと
これから職場を選ぶなら、資格の取りやすさも見ておくと安心です。
- 研修を受ける日に、シフトの相談ができるか
- 先輩に、働きながら資格を取った人がいるか
- 資格を取ったあと、仕事の内容や役割がどう変わるか
見学や面接のときに聞いてみてください。見学で見るところは「職場見学で見ておきたいところ」にまとめています。
今日できる小さな一歩
自分が介護の仕事を始めた日を、メモしておいてください。
介護福祉士を目指すとき、実務経験の期間を数える目安になります。転職した人は、前の職場の入社日と退職日もいっしょにメモしておくと、あとで書類をそろえるときに困りません。
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※気持ちのつらさが続くとき、眠れない・食べられないなどの不調があるときは、ひとりで抱えず、医療機関や、こころの相談窓口(厚生労働省「まもろうよ こころ」など)に相談してください。

